雑木・山野草・小川のあるお庭#横浜市都筑区
山野草と水景のある雑木の庭に小鳥も蝶もトンボも遊びに来てくれました!
先日完成した横浜市都筑区のお庭をご紹介致します。お施主様ご家族に様々なお気遣いを頂戴し、とても感謝しております。
■ご提案前の状況■
今回のお庭部分は幅が約1.5mほどで長方形のような形状でした。
窓先のウッドデッキ部分とお庭部分が板塀で仕切られていました。
■お客様のご要望■
お客様よりご新築建物のお引き渡し後、ひと段落ついたのでお庭の方も手を加えたいとのことで、当社にお声がけ頂きました。
主なご要望として、既存板塀を取り外し、再活用の上、お庭部分とウッドデッキ部分に一体感を持たせたいとの事でした。
■ご提案内容■
上記のご要望を受け、当社は完成後のイメージがしやすいように、3DCADパースと平面図を用いて、2パターンのご提案をさせて頂きました。
一つ目のパターンは、植栽と家庭菜園を造作するパターンです。
二つ目のパターンは、植栽とお庭部分に循環型の小川を造作するパターンです。
お客様には、二つ目の小川のあるお庭の案を気に入って頂き、ご採用頂きました。
*以下は小川のあるパターンのCADパースです。
■設計コンセプト■
設計にあたってのポイントは以下の通りです。
① 対象敷地の形状が幅のやや狭い長方形ですが、どのようにお庭に開放感と立体感を持たせるか。
② 隣接建物との距離が近く、いかに視線を気にせずお庭を楽しめるようにするか。
③ 日当たりが良好な環境下で、夏は涼しく、冬は暖かく感じられるようにする。
④ 室内および建物外観の雰囲気とお庭部分をいかに調和させるか。
■施工写真■
ポイント① 対象敷地の形状が幅のやや狭い長方形であるが、いかにお庭に開放感と立体感を持たせるか。
→既存板塀を、隣地境界付近に再設置し、窓先ウッドデッキ部分とお庭部分に一体感を持たせました。また既存の板材を半割りにし、一手間加え、より繊細な印象を与えてくれるようにしました。
立体感を持たせるために、小さいもので2cm程度の地被類から大きいもので3.5m程の高木など他種多様な植物達を織り交ぜています。全ての植物は産地に直接見に行き、一つ一つ選んでおります。
デッキと小川の間をつなぐ一石の大判の諏訪鉄平石はこのスペースでBBQをしたり、植物に水やりをしたり、メダカを眺めたり、色々な用途にご利用いただいています。室内と室外空間の連続性を持たせる一石として配置しました。
ポイント② 隣接建物との距離が近く、いかに視線を気にせずお庭を楽しめるようにするか。
→板塀と中高木で隣地の目隠しをする以外にも、視線が小川にいくように小川の作りにこだわりました。小川の様子が単調で見てて飽きるような流れにならないように、石の形や、植物の種類、形状にこだわりました。
〜水の湧き出るところ〜
石は角角しく、高木に囲まれ日差しが和らぐため、苔むした川石を配置しました。川石は採石場で山蛭の襲撃に遭いながら、サワフタギ、エゴノキ等の雑木達とヤマシャクヤクやハナイカダ等の山野草も、一つ一つ自分達の目で見て、選んできました。
自然界の川の流れで、全てが丸見えになっている川はあまり見かけません。水際の植物たちが日の光を求めて生存競争を繰り返しながら生い茂り、水の流れが見えない箇所もあると思います。
板塀の一枚一枚を半割りにし、一手間加え再活用しました。お庭部分とウッドデッキ部分に一体感が生まれ、より開放的な空間となりました。
わずかに流れる水とその脇に群生するフウチソウやハンゲショウなど
また、デッキ通路を拡張し、水の流れ全体を見渡せるようにしました。貯水タンクの蓋の取手はヒメシャラの枝で創作しました。
ポイント③ 日当たりが良好な環境下で、夏は涼しく、冬は暖かく感じられるようにする。
→中高木は落葉樹の雑木を配植しました。夏場は日差しを和らげ、冬場は落葉し、日の光がデッキに目一杯入ってきます。
水鉢で涼しさを感じられるようにしました。水鉢は茨城県の筑波まで足を運び、選んできた筑波石で造り、お施主様とご一緒に据えました。
ポイント④ 室内および建物外観の雰囲気とお庭部分をいかに調和させるか。
→エントランス脇の部分には、建物の色合いと調和するような諏訪鉄平石と御影石を組み合わせて、石積み花壇を造作し、アオダモとストロープ松を植栽しました。
倉地造園設計の庭づくり
・自然素材の形や色を活かして、手間をかけ、手作りで仕上げる庭づくり
・動植物の生命力、美しさを通じて、新たな気付きや安らぎを与えてくれる庭づくり
お施主様のライフスタイルに寄り添う庭づくりを念頭に日々活動しております。
*追記*
お施主様ご家族のみならず、鳥やチョウ、トンボにも喜んでもらえたようです。
ガビチョウ
アオスジアゲハ
ムカシヤンマ(?)