版築の機能門柱と石積みのあるお庭造り#鎌倉設計事務所個人邸
版築の機能門柱と石積みのあるお庭を造りたいと、お施主様より弊社のホームページを見て、昨年ご連絡をいただきました。今年の5月から着工となり、完成いたしました。
2対の機能門柱と、両面野面積みの石積みを施し、窓から見える景色も建築設計をお仕事とされているお施主様の気持ちが和むように植栽いたしました。
お施主様の素敵なお庭を紹介させていただきます。
※画像はタップしますと拡大表示されますので是非ご覧ください。
版築の機能門柱
版築の機能門柱は高さ1500(mm).幅900(mm)を2対作りました。
ポストを設置するため、版築の厚みを250(mm)にし、強度を高めて打設しました。 また、型枠をポストの形にくり抜いて、積み上げていきました。
石積み
玄関脇には石積みとして重厚感のある両面野面積みの施工をいたしました。 穴太積み講習会で大変お世話になっているお二人にご協力いただき、一緒に積み上げました。 角石の反りが特にこだわりのポイントです。
植栽
お施主様は建築設計をされている方です。神経を使い頭脳労働の合間に、窓から見える景色で少しでも癒していただきたいという思いを込めて意識して植栽させていただきました。
最近は植栽する際、必ずお施主様を植木の生産屋さんに同行して頂き見てもらうようにしています。
お施主様に実際の生木を見て、納得して頂き、木に愛着を持ってもらえると、管理が行き届き、木が良く育ってくれます。
また、たくさんある木からどのような木を選んでいるかや、見るポイントをお伝えし、弊社のこだわりを知ってもらう目的もあります。 一本一本丁寧に選んだ理由のある木々を庭に植えています。
木に印を付けすぎて同業者からは嫌がられている気はしますが、一週間に1回は必ず材料を見に行き、現行作業中のお庭はもとより、将来のお庭造りにも思いを馳せてイメージを膨らませたり、固めたりしている日々です。
水景づくり
お施主様よりのご要望から、さらにこの空間に何が合い、調和のとれた造作ができるかを考えイメージを膨らませました。その結果水景と板塀が調和のとれた素敵な空間を醸し出せると思い、お施主様へご提案させていただき、ご快諾いただきました。
道路から玄関まで高低差があり、傾斜しているので、高低差を活かした水景にしました。循環式の水中ポンプを設置し、周りはアプローチの御影平板に合うように古材の御影石で積み上げました。
板塀づくり
水景に続き、板塀も2種類造作いたしました。まずは、敷地裏側はシンプルに秋田杉の板を縦ばりにしました。
版築脇はデザイン性を高めて、名栗板塀にしました。 大先輩のご指導のもと、30✖️40のタルキを名栗加工し表面をバーナーで炙りました。
潰し釘で押さえ完成しました。
終わりに
全体的に調和の取れた素晴らしい空間になりました。お施主様のご要望はもちろん最も大事なこととして取り入れさせていただき、また弊社がイメージするご提案に対しまして、快く受け入れていただき、庭師冥利につきる機会を与えていただきましたことに大変感謝しております。
お施主様にはご満足頂き、大変嬉しく思いますとともに、今後も素敵なお庭の維持などもご依頼いただければ幸いです。
ありがとうございました。